呼吸について
コロナウイルスの関係で、稽古は全て非接触。
講釈としての時間が非常に多く、ためになった。
呼吸について、師範が解説してくださったのをメモしておきたい。
呼吸は大きく分けて、4つあるらしい。
1.鼻呼吸
ただ、鼻から吸って鼻から吐くという呼吸をここでは指していない。
師範曰く、鼻から鼻腔、副鼻腔を通り、頭蓋骨に抜けるようなイメージとのこと。
多分、オペラのベルカント声法に近しいもの?
鼻から頭に抜けるような発声方法があるが、それに近しいのかもしれない。
鼻腔はともかく、副鼻腔は拡張しないし、実際に頭に抜けていくものでもないので、
イメージとしてということだが、おそらくは、頭声と言われるものだと思われる。
武道においては、丹田や胸式呼吸、腹式呼吸が言われることがままある。
しかし、この呼吸方法が説明されるとは思わなかった。
宇宙を感じる、とか、神道、大本なんかと関係のある合気道ならではなのかも知れない。
*姿勢と繋がるものと考えるのであれば、
「髪の毛を真上に引っ張られているように」「上から紐で操られているように」意識して、 姿勢を取れ、立てと言われたりするのと同義なのかも知れない。(よくわからないけど)
2.胸式呼吸
肋骨を引き上げ、胸でする呼吸。
胸を開く、胸骨を意識するなど、やはり、意識すべきは骨、関節、筋肉であり、姿勢である。
3.腹式呼吸
腹を膨らませ、腹圧を利用し、横隔膜を引き下げたりして呼吸する。
肋間筋もそうだが、横隔膜も随意筋であり、意図的なコントロールが可能である。
当然であるが、腹腔内に空気は溜められず、お腹で呼吸するという言葉通りのことではない。
あくまでも、筋肉を使って行う。
口で吸って、肺に空気を溜めるのだが、横隔膜を意識して下に引っ張る。
お腹に力を入れ、腹圧を上げることで、横隔膜を挙上、逆も同様である。
ちなみに、4の丹田も実はこの腹式呼吸の一部なのだが、
師範は、別にご説明していたので、別記とした。
腹腔は上部を横隔膜、下部は骨盤底筋、後ろは多裂筋郡、横から前にかけて腹横筋と呼び、
これらをメインに使用したものを一般的に腹圧を利用した腹式呼吸ということが多いと思われる。
ここでは、横隔膜、腹横筋、多裂筋群を使用したものが腹式呼吸と分類されるものと考える。
4.丹田呼吸
臍より指3本下(俗に臍下3寸と言われる)の位置にある丹田を中心に腹式呼吸する
そもそも、丹田とは、体を上下に走る経絡である衝脈の直線と、腰回りを一周する帯脈が、
臍の辺りで交叉して田の字にに見えることから、丹田と呼ばれる。
部位の名称で、『概念的なもの』ではなく、『解剖学的、物理的な場所』としての名称である。
*概念的に丹田という言葉が使われるケースもあると思うが、
私は科学的な捉え方、論理性にこだわりたい。
意識は骨盤腔内で、直腸から肛門付近まで意識することが多い。
*「腹に力入れろ、ケツの穴を締めるように!」と言われたことありませんか?
要は、丹田による呼吸、丹田に力を入れろ、重心を下にっていうことです。
3でも述べたように、腹式呼吸の一つであり、
骨盤底筋と多裂筋群をメインに使用したものを丹田による呼吸とここでは呼ぶこととしている。
骨盤底筋は深層筋、インナーマッスルであるため、表面的な腹筋に力を入れるというのとは、
異なるが、結果として表面の腹筋に力が入ることもあるので、完全に間違いとは言えない。
筋肉を一種類だけ動かすことは至難で、自然と連動してしまっているからだ。
呼吸法とは、筋肉のコントロールであり、重心を変えることが目的だそうです。
自身の足を早く動かすには重心は上の方。
抑えたり、投げたりするときは重心は下。
安定をはかるなら中庸、あるいは下重心。
呼吸の説明ではあったが、筋肉について一貫して言っていたので、
『呼吸と筋肉を連動させる』
ということが肝要なのだろう。
稽古で30分にわたり、呼吸法の解説が師範からなされるのも、非接触稽古ならでは。 感謝。